手が硬直して苦しい


また情緒がぐちゃぐちゃになった。


洗面所で兄と出くわした衝撃で驚いた。

私は兄が嫌いなので、舌打ちをし、洗面所のドアを閉めた。家の中に天敵がいる気分は良くない。昨日もアシダカ軍曹と闘ったばかりである。

気を取り直そうと、冷蔵庫を開け、ジュースを取り出していると、突然後ろで物を強く蹴ったか殴ったような音がした。

私が振り向くと、兄貴がいた。

日頃近くに寄らないように私から接触を避けているのに、大体は奴から近づいてくる。まさに害虫の様な奴。舌打ちしたのを根に持っているのかと苛立ち紛れに「なんや?さっきのにイラついとんのかい」と言うと、案の定、腹を立てて居たようで「出会い頭に舌打ちってなんやねん」とブツブツと言い出す始末。「見下されてイラついとんかい」と言った辺で母が仲裁に入り、今にも手を出してきそうな兄貴に待ったをかけた。

いつか私は兄貴に殺される気がしている。

何故なら昔から人が居ない所で私は兄に殴られていたからだ。命の危機を感じて大声で誰かを呼ぶと兄は離れる。とんでもない痛みが残る中、両親は喧嘩両成敗で片付ける始末。現場を見ていないから余計に分からないのだろう。被害を受けた方はどれだけ惨めで、やるせなく、孤独か分からないのだろう。

最悪、物を使って反撃しなければならないと考えていたので、喧嘩を止められた事で消化不良を起こした。

殴り合いには発展しなかったが、気が治まらない私は「何が見下されてるだよ!お前が先に見下してきたんだろ!人の尊厳を踏みにじりやがって!」と普段余り大きな声を出さないので、ガラガラに嗄れた声でバッー!と言い放った。

冷静では無かったので、何を言っているか自分でも分からない。ただ、「障害女」と兄に言われた事がフラッシュバックして両手が痺れ、指がグーをするように閉じていく。開こうとすると、痺れが増して神経が通っていない様に開かない。ワクチン2回目で高熱を出して地味に苦しんでいた自分は4日目で後遺症でも出たのかと思ったが、両手の痺れは激昂した時によく出ていたので、違うと結論付けた。

いつもと違うのは手が開かない所だ。

様子がおかしいので、必死に感情を抑えていくが、両腕の痺れは中々治まらない。動悸が激しく、息がしづらく、立っているのがしんどくなってくる。楽になろうと座り込むと閉じかけの指が開かず、身体を支えようと無意識に動いた手は床で突き指をした時の痛みが走る。鼻水が出てくるので、ティッシュを取ろうとすると、上手く掴めない。

今までここまで痺れた事が無かったので、混乱したが、ここで文章を考えながら書いているといつの間にか治まっていた。

シングルタスクの勝利だろうか。

書いている間に気分が治まってきた。

この後、手が硬直した原因をネットで調べようと思う。


引き続き兄とは決別の姿勢を崩さずにいく。

年子の宿命なのか、お互いに譲り合う気持ちが無い。そんな事無いと言う者も現れそうだから、言っておきたい。

この世で一番大っ嫌いな奴を頭に浮かべ、そいつとハグしてお互いにキスして仲良くする自分を思い浮かべて欲しい。身の毛がよだつと思う。

親の仲良くしなさいを20年気持ち悪いと思って過ごしてきた。

私はアメリカであり、兄はロシアである。

さしずめ母は中国であり、父はベトナムである。

統一される事は私が生きている間には無いだろう。